世界大会の結果(シーズン3)
シルフリーグシーズン3の世界大会が9月12日に開催されました。
予選から勝ち上がった米国のDoonebug97氏がストレートの4連勝で見事優勝を果たしました。
彼はシルフシーズン3の世界ランク1位で、GBLでも有名なプレイヤーなのでご存じの方も多いのではないでしょうか。
世界大会の模様は以下のリンク(外部サイトTwitchが別ウインドで開きます)からご覧いただけます。
大会の動画;
決勝の部は5:49:00あたりから
決勝の試合は5:54:00から6:04:00あたりまで(約10分)、
決勝戦の解説
BAN指名
対戦に先立ち、相手のパーティ8匹のうち2匹をBANすることが出来ますので、お互いBANするポケモンを選びます。
基本的には自分のパーティが対戦上有利になるようにBAN指名することになりますが、相手がBANしてくるポケモンを想定しつつ自分のBAN指名に織り込まないといけないので、そのあたりの読み合いも重要な要素となります。
BAN指名前
BAN指名後
AShadyEquation氏はひこう2枚をBANしたので、結果として相手パーティにとってはフシギバナがかなり重くなりました。ただし、Doonebug97氏がフシギバナをBANする可能性もあったので、ひこう2枚消しはかなり勝負に出たBAN選択だと思います。
Doonebug97氏側はマリルリとチャーレムをBANして、ズルズキンとGマッギョを出しやすくしたものと推察します。
選出
AShadyEquation氏側から見るとフシギバナの通りがよいのでバナは選びたいです。相手はAガラガラを選ぶ可能性が高いので、Aガラガラを迎え撃つべくブラッキーかGマッギョあたりが選ばれるのではないでしょうか。
Doonebug97氏側から見るとズルズキンの通りがよいので、Aガラガラでフシギバナを止められれば、という展開が予想されます。
この記事は対戦動画を見た後で書いているのであれですが、ズルズキンはBANしておきたかったですね。自分ならズキンをBANしてブラッキーを出していくかな、と考えましたが、ブラッキーがBANされる可能性もわずかにあるので判断がむずかしいところですね。
自分ならこうする、というのを考えるのも見せ合いの楽しみの一つだと思います!
大会ページ;
世界大会アナウンス(公式);
世界大会の概要(シーズン3)
シーズン3の世界王者を決定する世界大会が以下の通り開催されます。
予選
各大陸の世界ランク上位4名(大陸大会のチャンピオンを除く)、計16名によって予選が行われます。大陸大会のチャンピオンは予選が免除されます。
16名が4グループに分かれてそれぞれ総当たり戦を行い、各グループの勝者が決勝へ進みます。
日程:9月6日~10日(1人あたり3試合を行う。1試合を36時間以内に消化)
レギュレーションは通常スーパー(使用禁止:フシギバナ、ベロリンガ、ラッキー、マリルリ、ブラッキー、ソーナンス、エアームド、ヤミラミ、チャーレム、チルタリス、ブルンゲル、アローラキュウコン、ガラルマッギョ)
決勝
大陸大会のチャンピオン4名と予選の勝者4名の計8名によるダブルエリミネーション形式のトーナメントで世界王者を決定します。
日程:9月12日(日)PDT午前9時(日本時間13日(月)午前1時)開始
レギュレーションは通常スーパー(使用禁止なし)で、各プレイヤーは8匹のポケモンでパーティを組みます。
対戦相手のプレイヤーが自分の手持ち8匹のうち2匹のポケモンをBAN指名して、残った6匹のポケモンでの見せ合いとなります。
公式ページ;
出場者一覧;
日本ランキングトップ50(シーズン3最終ランキング)
シーズン3(2020/10~2021/7)の最終ランキングです。
シルフリーグシーズン3の振り返り
2020年10月から始まったシルフリーグシーズン3も早いもので今月末で終了となります。区切りということでこの一年を振り返りたいと思います。
目次
出来事まとめ
シルフリーグはPvP実装の翌月である2019年1月から始まって、今季(2020年10月~2021年8月)が3シーズン目となりました。
シーズン3での主な出来事やカップをまとめてみました。
出来事 | カップ | その他の大会 | |
20/9 |
ブログ開設 関西リーグ立ち上げ |
||
20/10 | シーズン3開始 | サンライズ | |
20/11 | マーシュ | ||
20/12 | ナイトフォール | ||
21/1 | - (休み) | シルフオールスター | |
21/2 | ラビリンス | ||
21/3 | リージョナルホスト申請 | ボルテックス | |
21/4 | ファクションズ開始 | プリズマティック | |
21/5 | リージョナル招待状配布 | コマンダー | |
21/6 | ベンチャー | リージョナル | |
21/7 | - | 大陸大会 | |
21/8 | シーズン3終了 | - | 世界大会 |
シーズン3の特徴
レギュレーションについては、シーズン2までの尖り気味のものから大幅に路線変更されて、使用出来るポケモンの幅が非常に広くなりました。
GOバトルリーグ(GBL)の開始以来シルフのプレイヤーは減少傾向にありましたが、それらを繋ぎ止めるための施策だと思われます。GBL用にポケモンを準備しておけば、シルフで新たにポケモンを準備する負担が以前ほどなく、参加のハードルの引き下げが行われたと言えるでしょう。
中でも象徴的なのは2021年6月のベンチャーカップで、前月に開催されたGBLの制限レギュレーション「レトロカップ」の条件そのままでした。
また、シーズン3では10倍ポイントの使用権がプレイヤーの任意で決められるようになりました。シーズン2までは大会開始前に10倍を使うかどうか決める必要があったのですが、この変更によりいわゆる「やらかし」の発生がなくなりました。こちらもプレイヤーのモチベーション維持のための施策だと思われます。
ポイントが付く大会が月10回から6回に減少したのも、ランキング争いをするプレイヤーの消耗を減らす意図がありました。
PvPのeスポーツ化を目指した動きとして、団体戦である「ファクションズ」が2021年5月に始まりました。ファクションズは試合動画の放送を前提としていて、スポンサーの募集も行っています。実際中南米ではプレイヤーとスポンサー企業との契約があったり、スポンサー付きの大会が開催されたりしています(メキシコのセブンイレブン主催ファクションズなど)。
シルフの個人戦でのプレイヤー数が減少する中で、GBLとの差別化を図りつつ、別路線でのPvPのeスポーツ化を目指した動きがあった1年だったといえるでしょう。
従来のシルフは対面での大会を前提としていたため、地域コミュニティでの交流の一環としての草の根的な活動が主でしたが、世界的なCOVID-19流行の影響により活動の軸足が大幅に変わったといえるでしょう。パンデミックの終息が見えない中、この傾向は来季も続くと思われます。
課題:リモート対応とポストCOVID-19
プレイヤー、ホスト、シルフ本部などすべての関係者にとって、今季のテーマは「リモート開催への対応」であったと思います。対面で大会を開くことが出来ないため、どうしても他のオンライン対戦ゲームと同様に勝敗にこだわる傾向が強くなってしまいます。換言すればシルフのGBL化であり、もしポケモンGOのゲーム内で6-3見せ合いが出来ればシルフの存在意義が根本から揺らぎかねない状況となっています。
前述したように対面大会でわいわいやるのが元々のシルフの姿だったので、競技性が強くなりすぎると本来の魅力が損なわれるのではないかと個人的に懸念しています。
COVID-19の終息が見えない中、来季もしばらくは今の路線が継続されると思われますが、終息後にシルフがどのような形に着地するのか気になる所です。
シルフは世界規模のプレイヤーネットワークで形成されているため、アメリカに本部があるシルフが対面大会の再開をどのように判断するのかも関心事です。その国その地域の状況に応じて再開、ということになるのかも知れませんが、どういう条件、タイミングでGOサインを出すのか注視したいところです。
問題提起
シーズン3ではリモート開催への対応が最大の課題でしたが、シルフ本部のリモート開催への対応は十分ではなかったように思います。特にリージョナルの開催要項(参加条件等)については対面大会での開催が前提だったシーズン2から変更されておらず、ディスコード上でも混乱が目立ちました。リモート開催のスタイルを維持するのであれば、適正な大会運営が可能になるよう、実情に応じたルールや制度の改定を期待したいところです。
終わりに
長いようで短い1年でしたが、あらためて振り返るといろいろな出来事がありました。勝ち負けにこだわらずともカジュアルに楽しめる、本来の対面大会が復活する日が来ることを切に願っています。
大会にご参加いただいた皆さま、また大会運営に助力いただいた皆さまに厚く御礼申し上げます。1年間本当にありがとうございました。
リージョナル・大陸大会・世界大会一覧(シーズン3)
シーズン3で開催された、招待制の大会ページへのリンク集です。
リージョナル:地域No.1を決める招待制の大会。各主催団体のリーダーボード上位のプレイヤー、国別ランキング上位のプレイヤー及び6ラウンド以上の大会の優勝者と上位成績者が招待される。スイスドロー式トーナメント。
大陸大会:リージョナルの優勝者と上位成績者、ワイルドカードの成績上位8名などが進出できる招待制の大会。ヨーロッパ、北米、中南米、アジア太平洋(APAC)の四大陸でそれぞれのチャンピオンを決める。予選はスイスドロー式トーナメントで、上位8名が決勝に進出する。決勝はダブルエリミネーション方式のトーナメント。
世界大会:四大陸のチャンピオン4人+世界大会予選の勝者4名で行う世界一決定戦で、シーズン3ではダブルエリミネーション方式トーナメントで開催される。予選は各大陸のランク上位4名が4グループに分かれて総当たり戦を行い、各グループの勝者が決勝へ進出する。
リージョナル(西日本) 6/20
リージョナル(東日本) 6/26
大陸大会APACワイルドカード 7/10
大陸大会(APAC)予選 7/24
大陸大会(APAC)決勝 7/31
大陸大会(北米)決勝 7/31
大陸大会(欧州)決勝 8/1
大陸大会(中南米)決勝 8/1
世界大会決勝 9/12